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ファイヤーマン 第8話 「恐怖のミクロ怪獣」

ファイヤーマン 第8話 「恐怖のミクロ怪獣」
広大な団地、その中を歩く2人の主婦が和やかに談笑している場面からスタート。
そこに謎の悲鳴が響き渡り、「中村さんの声だわ」と悲鳴の主に気づき、中村さんの部屋へ向かう2人。
主婦2人が中村さんの部屋に向かい、扉を叩くが応答無し。2人が扉を開けると、そこには無表情の中村さんが!! この時の中村さん、顔がライトか何かで下から照らされているような感じになっており、若干怖い……。扉を開けた先にそんな人がいたら、そりゃ怖いよ。
怯える主婦2人の1人が指差す先には、階段から降りてくる明らかに異常状態の人々!!
主婦2人は助けを求め、逃げ出す。

 

場面が変わり、小学校帰りらしいランドセルを背負った少年が団地を走っているが、マンションからは異常状態の人々が歩いてくる。
怯える少年をよそに、目の焦点も合っていない人々はそのまま少年を通り過ぎていく。
すぐに少年はマンションの自室に帰宅。扉を閉め、部屋に入った少年が見た物は、様々な色の光の中で蠢く等身大の怪獣!! 帰ってきたウルトラマンに登場した「ツインテール」に似ているが、それもそのはずでデザイナーさんが一緒らしい。
そのショックから口を開け、目は虚ろになる少年。先程の中村さんほどではないが、若干見せ方が怖い。

 

事件の起こった団地、その一室を調査に訪れる岬。
ナレーションいわく、「東京郊外のみどり団地で、十数人の人達が精神錯乱状態に陥った」との事。精神錯乱状態だったのか。
その部屋の隅から、謎のガスが出ている。そのガスに近づき鼻元を押さえ、精神錯乱性の液体ガスとなぜか即座に見破る岬。
岬がマリンカーに戻ろうとすると、先程の少年がふらつきながらマンションから出てくる。仰向けに倒れる少年を、岬が抱き起こす。必死に声をかける岬、少年の顔が映し出されると同時に響くガラスが砕け散るような音。

 

SAF基地内。隊員達が子供達の間で飼うのが流行っているという、「カプセルモンス」の入った水槽を前にその話をしている。
プランクトンのような物らしい。なぜか一匹だけ大きな個体が入っているが、普通は2センチくらいの大きさだとか。
その大きな個体を海野隊長は別の個体を食べて大きくなった、マリちゃんは別の品種ではと疑っているが……。
その異常な大きさの個体を、海野隊長の友達の小学校教師が調べてほしいと持ち込んできたのだとか。

 

その頃岬は、病院のベッドで眠る少年タカシを前に、少年の母親と話していた。
タカシ少年の父親は3年前病気で死んでしまい、母親が働きに出ている家庭らしい。
うなされるタカシ少年に母親が声をかけると、少年は「水」と一言。
岬がコップに水を入れ、タカシ少年に飲ませてあげる。
母親が一体どうしたのか、何があったのか問うたびに、ガラスの割れる音が響き、タカシ少年は顔を背ける。

 

海野隊長に先程の出来事を報告する岬。
診察の結果は異常無しだったようだが、何か精神的ショックを受けている状態らしい。
タカシ少年が団地で起こった異変の真相を知っているのではという話になり、岬が調査を希望して海野隊長も許可。

 

病院からタカシ少年の母親が駆けてきて、岬にタカシ少年がいなくなった事を伝える。
手分けして探そうとした時、タカシ少年の友人らしい「すみれちゃん」登場。
どうやら、タカシ少年のお見舞いに来てくれたらしい。
岬と母親がタカシ少年失踪の話をしていると、すみれちゃんが「お家へ帰ったんじゃないの?」「クマゴローの事が心配になったのよ」と進言。タカシ少年の飼っているカプセルモンスのペットネームが「クマゴロー」との事。
タカシ少年はクマゴローを弟のように可愛がっていたらしい。

 

すみれちゃんの言った通り、タカシ少年は家におり、机に座り空の水槽を眺めていた。
岬が母親が心配している事を伝え、すみれちゃんがクマゴローがいない事を指摘すると、「知るもんか!!」と叫び部屋を飛び出すタカシ少年。
病院のベッドに戻るタカシ少年の元に、すみれちゃんがお見舞いに来る。
自分のカプセルモンスをあげると言う割と優しいすみれちゃんを前に、泣きそうな顔になった後カプセルモンスの水槽をたたき割るタカシ少年。
当然怒る母親を前に、タカシ少年は再度ガラスの砕ける音と共に顔を背けて無表情。
一連のやり取りを見ていた岬は、タカシ少年が何か悩んでいる事を確信。

 

場面が変わり、のどかな音楽の中で自然の風景画を描く女学生2人。
その2人の目前の大地が突如陥没し、団地で現れた怪獣が巨大化して登場。
逃走する2人の女学生と、触手の間から毒ガスを噴射するクマゴラスで前半パート終了。

 

クマゴラスの現れた現場に調査に赴くSAF。
女学生が怪獣の形がカプセルモンスに似ていた事を証言。
調査の結果、みどり団地に現れた怪物と同じ物である事が判明。

 

SAF基地では、カプセルモンスが巨大化したという仮説を笑いあっていたが、岬はタカシ少年の事を考えていた。
再度岬は、病院にいるタカシ少年の元を訪れていた。
根気強く、可愛がっていたカプセルモンスを嫌いになった理由を尋ねる岬。
なぜそんな事を聞くのか問うタカシ少年に、岬はカプセルモンスのような怪獣が出た事を話す。
その怪獣が放つガスの危険性を真剣に話す岬に、相手が子供でも軽んじない実直さと厳しさを感じる……。
突如ベッドを跳ね起きるタカシ少年。止める岬に、タカシ少年はクマゴローを探しに行くと叫ぶ。
タカシ少年は、怪物は自分の飼っていたクマゴローが大きくなった姿である事、巨大化したクマゴローが団地の人達を困らせた事で怖くて何も言えなかった、これがタカシ少年が隠していた事だったのだ。

 

タカシ少年はカプセルモンスの生命力を試そうと、2匹のカプセルモンスを池の中に1週間入れていたらしい。
その結果、2匹共とても大きくなっていた。タカシ少年はそのカプセルモンスを先生に見せたが、先生も巨大化した理由がわからなかったのでSAFに持ち込まれたようだ。
岬の提案で池の水質検査をする事に。
千葉隊員はその池の水が魔法の水だと考えているのかと笑っていたが、岬としてはその池の水でカプセルモンスが巨大化しない事を証明したかったらしい。
タカシ少年の事を心配してだろうが、優しいな岬は。

 

水質検査の結果、池の水には多量のシグマ100放射線が検出された。
一月程前、メーカーから原子力センターに運ばれる放射線照射装置が盗まれる事件があった→犯人はすぐ捕まり、放射線照射装置が捨ててある場所もわかって回収された→その犯人が装置を捨てた場所が、あの池だった→タカシ少年がカプセルモンスを池に入れた時、池の底には放射能の詰まった装置が沈んでいた→その時、カプセルモンスはもろに放射線をたっぷり浴びた→団地に現れた怪物はその放射能で突然変異したカプセルモンス?という流れになる。
海野隊長いわく、カプセルモンスは卵の中で何世紀も生き続けるほどの生命力があるとか。
水島隊員がシグマ光線をカプセルモンスにあててみる事を提案する。
「生命の謎に、アタックするのさ」
水島隊員が放った上記の台詞、はっきり言って嫌な予感しかしない……。
だが、その場では何も起こらず、怪物はカプセルモンスではないという結論に。
これでタカシ君も安心して帰れるとマリちゃん。岬も嬉しそうだ。

 

タカシ少年が帰宅すると、机の上にすみれちゃんがくれたというカプセルモンスが。
お母さんが仕事で遅くなっても寂しくないと言うタカシ少年。
マリンカーに戻ろうとする岬と、すみれちゃんにお礼を言うタカシ少年の元へ、突如通信が。
応答する岬に、団地の近くで巨大なカプセルモンスが出現した事を伝える水島隊員の必死の声!!
海野隊長、千葉隊員、マリちゃんが出撃した事を伝え、岬も急行する事を水島隊員に伝えるが、通信機からは水島隊員の悲鳴が響く!!

 

はしごを上る水島隊員に白い毒ガスが浴びせられる。
マリンカーで急行した岬。彼の目に入ったのは、等身大サイズの例の怪物。
火炎弾銃を手にした岬が怪物を倒すが、水島隊員は目をやられていた。
精神錯乱性のガスだったはずだが、相手の視力を奪うガスに変わっている。それとも、精神錯乱以外で直接浴びると視力を奪う効果もあったのか? ガスを受けた水島隊員は精神錯乱状態になっていなかったし、やはりそんな効果を持つガスではファイヤーマンでも勝ち目が無いからだろうか? わからない。

 

一方、更に巨大化して怪獣化したクマゴローと海野隊長達が戦っていた。
そこに岬の乗るマリンゴンが急行する。
怪獣を攻撃する岬だが、マリンゴン内の岬も毒ガスで目をやられてしまう。
海野隊長が脱出を指示するが、マリンゴンは怪獣と衝突し墜落。
マリンゴン内で気絶している岬を、再度ナレーションが激励する。
視力を失いながらもファイヤーマンに変身する岬だが、変身後のファイヤーマンも赤い目が白く濁ってしまっていた。
手探りで周囲を探るファイヤーマンだが、地味にファイヤーマンの姿で岬の声が発せられるのは初めて。心の声ではあるし、そもそもファイヤーマンと岬に一体感が無いのだが……。
毒ガスに苦しみながらも戦うファイヤーマンだが、キックやパンチも全く当たらない。
途中で怪獣の瞬間移動能力を用いて隙をついた噛みつき攻撃、触手の締めつけ攻撃に苦しめられるが、何とか脱し「手裏剣ファイヤー」というアンダースローで放つ火球で怪獣の目を焼き払う。
怪獣の目にピンポイントで命中させる事が出来たのが、かなり不思議。
その後、怪獣を投げ飛ばしファイヤーフラッシュでとどめをさすファイヤーマン。

 

丘の上でクマゴローに対する悲しみを叫ぶタカシ少年。
「クマゴローの馬鹿野郎!!」は少々八つ当たりの気もするが。
岬が今回のような悲劇を繰り返さない事を約束し、すみれちゃんに貰ったカプセルモンスを大切にするように諭す。
振り返ったタカシ少年が「うん!!」と返し、岬も頷く。
丘を下るタカシ少年と岬で第8話終了。

 

感想
真実を隠してしまったタカシ少年にも問題はあると思うが、大人のした事でこのような事態にまで発展してしまった事は可哀想にも思う。今回中々ホラーな描写が多かったように思うが、身近にいたペットが原因で引き起こされた事件だと思うと世界観が若干怖い。子供相手でも真剣に接して、厳しくも真っすぐに怪獣の危険性を話していた岬が好印象だった。今の時代に合うかはわからないが、実直な主人公はやはり見ていて気持ちがいい。精神錯乱、視力低下と中々強力な力を持つ怪獣だったが、尺の都合で簡単に倒されてしまったようにも見える。やりようによっては、かなりの強敵にもなったと思うだけにそこは残念だった。