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ファイヤーマン 第9話 「深海からの挑戦」

ファイヤーマン 第9話 「深海からの挑戦」

南太平洋のガロン環礁付近の海底火山が爆発し、その報告を受けたシーマリン号が現場へ向けて出撃する場面から開始。
赤、黒、黄の絵の具に見える物で海底火山が表現されているが、なぜこの色なのだろう?
シーマリン内。突如揺れるシーマリン号で、海野隊長が水中カメラの映像を岬に指示。カメラを「キャメラ」と言っている海野隊長だが、こだわりだろうか?
水中で岩が崩れる映像が映し出される。その後、深海にある切断されたケーブルが映し出され、海野隊長から今回の任務がケーブルの修理である事が伝えられる。海野隊長の指示で、シーマリンのマジックハンドでケーブルの両端を掴み引っ張っていく事に。
マジックハンドが伸ばされ、「水中キャメラBスタンバイ」と岬に指示する海野隊長。
切断されたケーブルの両端を、マジックハンドが掴む。
だが、突如ケーブル付近に落石が発生し、シーマリン号も巻き込まれる。
一時パニックになるシーマリン内だが、揺れがおさまった後、ケーブルを掴んだシーマリン号が海上へ浮上。
命懸けの任務を終えて笑い合っていた面々だが、100キロ離れた場所のケーブルが通信不能との情報が。調査に向かう事に。

 

調査先のケーブルは食い散らかされたように、ボロボロになっていた。
さらに進むと、骨が剥き出しになった状態の怪獣が死んでいる。
海野隊長いわく、ジュラ紀の「ロドグロス」という怪獣らしい。海底火山の衝撃で深海から現れたと推測する岬。
鋭い牙で食い千切られたような傷がある事から、他にも怪獣がいるのではという話に。付近を捜索するシーマリン号。
前進するシーマリン号の先には、別の怪獣を襲う「ネロギラス」というジュラ紀の肉食剣竜が。
千葉隊員に攻撃準備を指示する海野隊長。
千葉隊員がシーマリンから攻撃を加えるが効果は無く、逆にステゴラスの死体を投げつけられる事に。損傷したシーマリン号は推進装置がやられ、浮上を余儀なくされる。
浮上したシーマリン号だが、海野隊長はそこで爆雷投下を指示。それで倒せればよし、と思ったのだろうか?

 

SAF本部。自動カメラが写したネロギラスの写真を手に、岬の経歴を思い出す海野隊長。
地質学考古学研究所の田所博士の元で働いていたという岬の経歴。確かに第1話で言及されているが、言及されていた事自体忘れていた……。
田所博士にネロギラスの生態を詳しく聞いてきてほしいと岬に頼む海野隊長。
第1話でのみ語られていた人が、ここまで来て登場する事になるとは。

 

田所博士と再会した岬は、その恩師と握手をしていた。
どうやら、岬の事を試していたらしい。
田所博士の口から、岬が親も兄弟もいない孤児である事と、田所博士が岬を引き受けた経緯が語られる。
今まで詳しい経歴が分からなかった岬だが、田所博士は岬にとっては恩師であると同時に「父親」なのだな……。
岬は孤児らしいが、故郷である地底世界にも親兄弟がいないのか? そもそも、岬が田所博士と出会い、彼の元で働くようになったのはいくつの時なのか? 少し事情が明らかになったが、やはり謎の多い主人公である岬大介/ミサキー。
田所博士を演じる平田昭彦さんは、「ウルトラマン」で岩本博士役を演じている。
そんな親子のような関係らしい岬に、最後の仕事に向かう事を伝える田所博士。
その後、持ってきたネロギラスの写真を見せるよう岬に言う田所博士だが、これが2人の最後の会話となってしまう……。

 

マリンゴンで海上を飛行する岬と千葉隊員。
岬の口からネロギラスが蛋白源を摂るために、他の生物を手当たり次第襲う事が語られる。
飛行するマリンゴンから岬が何かに気づく。
突如海の一部が血に染まるが、絵の具のような感じで少々不自然。
血に染まった海に接近するマリンゴン。
海の中では「帰ってきたウルトラマン」に登場するグドンの別個体が、ネロギラスに襲われていた。ウルトラマンエースの2代目ムルチと同じように表皮を剝がされているが、ムルチの時に比べてなぜか生々しく見える……。
勝ち誇るネロギラスの映像で前半パート終了。

 

海上に浮上するグドンの死体と、それを報告するマリンゴン内の岬。
SAF基地内。地図上にバツ印を書き、それを線で結ぶ海野隊長が、クジラの死骸情報を元にネロギラスが日本海溝に潜入した事を確信する。
水島隊員が言うには、ネロギラスには超音波のような物を発する器官があるらしい。
シーマリン号の接近を感知して、逃走してしまうのだとか。
岬がこんなに狂暴でずる賢い奴ははじめてと言っているが、この段階で捕食された怪獣の数を考えても「ファイヤーマン」でトップクラスの強敵である事は間違いない。
そこに響く緊急指令。
三陸沖において日本海溝の地質調査のために潜行していた、海洋大学のSR号が連絡を絶ったという連絡が!!
SR号には田所博士も乗船しているという情報に、動揺する岬。

 

シーマリン号内。真っ暗の背景の中、田所博士の言葉を思い出す岬。
水島隊員がSR号の最大潜水深度や乗員の数、現場付近が嵐で救助船の到着が遅れる事を海野隊長に報告。
海野隊長が5000mまでの潜行を指示。
千葉隊員が潜水震度を報告し続ける中進み続け、海底にネロギラスを発見する。
水中ミサイルを発射しネロギラスが逃げた先には、無残な姿にされたSR号が!!
SR号を目にした時の岬の表情が、痛々しくて印象的。
海野隊長が乗員生存の可能性が全く無い事を口にした後、感情を抑えきれなくなった岬がメンバーの後ろで悲痛な叫びを上げる。
岬と田所博士の関係性を知る海野隊長が、田所博士が最後まで科学者として立派に戦った事を伝えてなだめる。
だが岬は聞く耳を持たず、「この手で奴を、ネロギラスを殺してやる!!」と発言。
ヒーローとしては間違っているのかもしれないが、情にあふれた人物だという事が伝わってきて個人的には嫌いではない。
その後、その場から離れようとした岬を引き戻し、落ち着くよう話す海野隊長。
悲痛な表情で食い下がる岬に、海野隊長は昨日田所博士からレポートが届いた事、そのレポートの中に岬宛の親書が入っていた事を伝える。
わずかに冷静さを取り戻した岬に読んでみるよう伝えた後、SR号の引き上げを指示する海野隊長。
シーマリン号内で田所博士からの親書を読み始める岬。
科学者としての使命感や覚悟、岬に対する信頼が伝わってくる文面……。
親書の文面は一部しか読み上げられていないが、よく見ると「私にとって一番大切な人」「僕の息子」という内容がある。
それだけ強い親子のような情で結ばれていたのかと思うと、岬にとってはどれだけ辛い出来事だったのか……。
場面は変わり、海岸でネロギラス打倒を田所博士に誓う岬。

 

SAF基地。岬が他のメンバーを前に、シーマリン号の自動録音装置が捉えたネロギラスの鳴き声を流している。
田所博士のレポートによると、ネロギラスは5,6頭の集団で海辺で暮らしていたようだが、食べ物が無くなれば平気で共食いをしていたのだとか。
ネロギラスの声を水中に流して、ネロギラスを深海から誘い出すつもりらしい。

 

シーマリン号の水中スピーカーから流れる声に、ネロギラス自身も反応。
偽装された巨大スピーカーとミサイル部隊が配置された浜辺に、ネロギラスを誘導する事に。
誘導先の浜辺にマリンカーで到着する海野、マリちゃん、岬。
海野隊長の指示で地雷原が爆破され、ミサイル攻撃も開始。
様子を見てくると言い、その場を離れる岬。
千葉、水島が搭乗するマリンゴンも攻撃を加えるが、効果無し。
逆に、ネロギラスの口から放たれた赤い液体で撃墜されてしまう。
場面は変わり、一対一の勝負を宣言してファイヤーマンに変身する岬。
格闘が続くが、一瞬の隙をつかれネロギラスの赤い液体を浴びてしまうファイヤーマン。
尻尾攻撃や噛み付き攻撃で、一度はダウンしまう。
海野隊長やマリちゃんにネロギラスが迫る中、うつ伏せの状態で拳を握り、田所博士との思い出を思い返すファイヤーマン。
息を吹き返したファイヤーマンが「マグマビーム」(エメリウム光線のようなポーズ)で尻尾を焼き切り、とどめのファイヤーフラッシュを放つ。
数々の怪獣を惨殺してきた殺し屋怪獣は、因果応報のごとくばらばらに粉砕。消滅する。

 

戦いの後、夕陽の海岸で一人佇む岬。
仇を討ったところで、もう田所博士は戻ってはこない……。
ナレーションからSAFの義務、そして激励が流れて第9話終了。

 

感想
個人的にファイヤーマンの中でも1位、2位を争う程好きな回。孤児である岬と父親のような存在である田所博士の絆、ヒーローにはあるまじき復讐心が描かれたかなりの良作だと思う。岬はウルトラマンのハヤタ隊員と同じく内面描写が少ないので、復讐心を描く事で情に溢れた男だと分かり好感度が上がった。最後のナレーションもあって、ヒーローとしての責任と地底人ミサキーの想い両方が描かれていて作品としての好感度も高い。